特区民泊と新法民泊の違いと今後の対策について

投稿日:2018.05.10

◆特区民泊と新法民泊の違いと今後の対策について◆

 

「新法民泊」に加え「特区民泊」を禁止する場合は管理規約への明記が必要です!

 

マンションの一室等を休憩・宿泊施設として使用する、いわゆる「民泊」について定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)が昨年6月9日に成立しました。

この法律は今年6月15日から施行される予定で、今年3月15日から住宅宿泊事業の届出が開始されますので、公益財団法人マンション管理センターでは3月14日までに管理規約の改定を行っておくことを勧めています。 また、平成25年12月の国家戦略特別区域法(特区民泊)とは全く別のものとなりますので、大阪府下の該当地域では「新法民泊」に加え「特区民泊」を禁止する場合は管理規約への明記が必要となります。

 

マンション管理規約の記載例(標準管理規約)

第12条(専有部分の用途)

区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし 、他の用途に供してはならない。 (「新法民泊」及び「特区民泊」の禁止を明示する場合、下記の第2項、第3項を追加する)

2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。

3 区分所有者は、その専有部分を国家戦略特別区域法第13条第1項の特定認定を受けて 行う国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に使用してはならない。

 

◇ 今後の対策として

分譲マンションにおいて、特区民泊及び新法民泊のいずれも民泊に対しての受け入れは非常に難しく、生活スタイルや資産重視といった点を鑑みるとそぐわないことが多々あり、民泊禁止として第12条の第2項及び第3項を管理規約に記載することにより明確化することが重要です。

 

※ 大阪特区とは

大阪府下のうち、吹田市、交野市、松原市を除く市町村が該当します。

 

(参考) 特区民泊と新法民泊との違いについて

 

① 特区民泊(国家戦略特別区域法)

   許認可など:認定

   提供日数の制限:2泊3日以上の滞在が条件(上限なし)

   宿泊者名簿の作成・保存義務:あり

   玄関帳場の設置義務:なし

   最低床面積(3.3㎡/人)の確保(宿泊人数の制限):一居室の床面積原則25㎡以上(自治体判断で変更可能)

   上記以外の衛生措置:あり(換気、採光、証明、防湿、清潔などの措置)

   非常用照明などの安全確保の措置義務:あり(建築基準法で措置)

   消防設備の設置(消火器、誘導灯、連動型火災警報器):あり(建築基準法で措置)

   近隣住民とのトラブル防止措置:あり(近隣住民への適切な説明、苦情対応)

   不在時の管理業者への委託義務:なし

② 新法民泊(住宅宿泊事業法)

   許認可など:届出

   提供日数の制限:年間営業日数180日以内

   宿泊者名簿の作成・保存義務:あり

   玄関帳場の設置義務:宿泊者名簿の作成・保存ができれば物理的設置は求めない。

   最低床面積(3.3㎡/人)の確保(宿泊人数の制限):あり

   上記以外の衛生措置:あり(定期的な清掃等)

   非常用照明などの安全確保の措置義務:あり(家主居住型で民泊部分の面積が小さい場合は緩和)

   消防設備の設置(消火器、誘導灯、連動型火災警報器):あり(家主居住型で民泊部分の面積が小さい場合は緩和)

   近隣住民とのトラブル防止措置:あり(宿泊者への説明義務、苦情解決の義務、  届出時にマンション管理規約、賃貸住宅の賃貸契約書の確認)

   不在時の管理業者への委託義務:あり